私たちが普段生活する中で、火力発電・原子力発電などによる電気などのエネルギーは必ず使われています。
ですが、もしも『エネルギーを必要としない家』があるとしたら、あなたはどう思いますか?
今回はそんな新しい時代の住まいについてご説明いたします。
日本の住まいは変わろうとしている
『ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)』という言葉を耳にしたことはありますか?これは「高性能な省エネと太陽光発電などの一次エネルギーを組み合わせ、快適な室内環境を維持しつつ、年間で消費する住宅の一次エネルギー量が実質おおむねゼロになる住まい」のこと。「そんな夢のような話」とお思いでしょうか?実はZEH(ゼッチ)基準に対応した住まいは、すでに少しずつ普及していっているのです。
地球温暖化ガスの排出量削減は、今や世界的な課題となっています。
その一方で、2015年、日本の地球温暖化ガス排出量は世界で5位という結果がでています。上位にあがる中国、アメリカ、ロシアなど、比較的土地の大きい国がトップになるのはなんとなく分かると思います。
しかし日本はロシアに次いだ排出量を記録。2009年から太陽光発電の買取制度がスタートしたにも関わらず、他国に自慢できない結果となってしまいました。
そこで政府は2020年までにZEH住宅を新築の標準とするため、同様に目標を公言したハウスメーカー、工務店、建築設計事務所、リフォーム業者、建売住宅販売者などを「ZEHビルダー」として登録。屋号などの公表を行っています。2018年1月には全国6,303社がビルダー登録を行いました。
また2030年には、新築住宅の平均でZEHの実現を目指すという計画がたてられています。すでにZEH住宅に住み、快適な生活を送っている人もいるようですね。エネルギーゼロの住宅は、これから当たり前になってくるのかもしれません。
太陽光×高断熱×省エネ
さてそんな『ZEH』ですが、具体的にどのようにして「ゼロ・エネルギー」を確立しているのでしょうか?それでいて快適な住空間を維持するカラクリは何なのでしょうか?
【エネルギーを極力使わない】
「エネルギーを使わない」ということは「必要がない」ということ。まずは高断熱性を備えた外壁や窓枠にすることで、空調などの電気設備の使用を控えることができます。また高断熱性能の外壁や窓は、「夏は涼しく・冬は暖かく」に貢献。
【エネルギーを上手に使う】
「上手に使う」とは「省エネである」ということ。エネルギー消費量の大きい、空調・照明・給湯・換気には省エネ効果の高い設備を導入し、一次エネルギーの消費量を削減します。照明であればLEDが。給湯であればエコキュートやエコジョーズなどがこれに当てはまります。
【エネルギーを創る】
ZEH住宅は一次エネルギーを使用します。エネルギー源は太陽光。太陽光発電システムと蓄電システムで、日中に貯めたエネルギーを夜間でも使用できるようになります。エネルギーを自ら創り出し、そのエネルギーで上手にやりくりするからエネルギー収支がゼロの住まい。これが、実現されようとしているネット・ゼロ・エネルギー・ハウスなのです。
ちなみに「ZEHを新築する」「ZEHの新築建売住宅を購入する」「既築住宅をZEHへ改修する」人には、補助金が交付されます。これはZEHの普及を促進させる潤滑油になることでしょう。各大手ハウスメーカーなどでも、ZEH住宅の施工例を掲載しているページがあるようです。これから新築を考えている人は、環境に優しいZEH住宅を検討してみるのもいいかもしれません。